ナルトの暁は、岸本斉史『NARUTO -ナルト-』に登場する全11人のS級抜け忍で構成された犯罪組織であり、月の眼計画の遂行を最終目的とする三重リーダー構造(弥彦→長門ペイン→オビト→マダラ)を持つ作中最大の敵勢力だ。
俺は20代の前半から半ばにかけて、自分でも引くほど派手な生活を送っていた時期がある。毎月数百万円稼いで、その全部を恋愛と遊びに溶かして、最終的にゼロ近くまで落ちた。その時期に何度も読み返したのがNARUTOで、特に暁メンバーの「壊れ方」が、当時の俺自身と重なって離れなかった。
暁は雨隠れの里で結成された組織で、当初の理念は「対話により争いをなくす」こと。創設者は弥彦・長門・小南の3人で、自来也の弟子である。しかし弥彦の死後、組織は変質し、尾獣を全て集めて無限月読を発動する「月の眼計画」を遂行する犯罪組織となった。メンバーは全員が黒地に赤い雲の外套をまとい、漢字一文字の指輪をはめ、二人一組で行動する。以下、メンバー一覧・強い順ランキング・俺独自の考察を一気に書き残しておく。
暁は”愛情の壊れ方”の物語だった——ただし、全員ではない。これが何百回もNARUTOを読み返した俺がたどり着いた結論だ。
ナルト 暁 メンバー一覧|組織の目的と三重構造
暁の本質を理解する鍵は、リーダーが「三重構造」になっていることだ。表のリーダーはペイン(長門)だが、その裏にはオビト(トビ)がいて、さらにそのオビトを動かしていたのがうちはマダラだった。組織の名前は同じでも、目的と手段は完全に変質している。
⚠️ ネタバレ注意:以下、漫画『NARUTO -ナルト-』全72巻、アニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』全シリーズの核心ネタバレ(暁メンバー全員の能力・最期・三重リーダー構造の真相・第四次忍界大戦の結末)を含みます。原作・アニメ未読・未視聴の方はご注意ください。
| 📊 暁 組織概要 | |
|---|---|
| 発祥の里 | 雨隠れの里 |
| 創設者 | 弥彦・長門・小南(自来也の弟子3人) |
| 当初の理念 | 対話により争いをなくす(平和組織として結成) |
| 最終目的 | 月の眼計画(尾獣を全て集めて十尾を復活させ、無限月読を発動) |
| メンバー数 | 11人+ゼツ(マダラ・オビト・ペイン・小南・イタチ・鬼鮫・大蛇丸・サソリ・デイダラ・角都・飛段) |
| 活動形態 | 二人一組(ツーマンセル)でメンバー1人につき尾獣1体捕獲のノルマ |
| 装束 | 黒地に赤い雲の外套・笠、漢字一文字の指輪、傷の入った額当て |
| 真のリーダー構造 | 弥彦(初代)→ 長門ペイン(表)→ オビト(中間)→ うちはマダラ(黒幕)→ 黒ゼツ・大筒木カグヤ(真の黒幕) |
| 📋 暁 メンバー全11人 一覧(指輪・出身・パートナー) | |||
|---|---|---|---|
| メンバー | 指輪 | 出身の里 | パートナー |
| うちはマダラ | —(黒幕) | 木ノ葉隠れ | —(穢土転生で参戦) |
| うちはオビト(トビ) | 玉 | 木ノ葉隠れ | デイダラ |
| ペイン(長門) | 零 | 雨隠れ | 小南 |
| うちはイタチ | 朱 | 木ノ葉隠れ | 干柿鬼鮫 |
| 干柿鬼鮫 | 南 | 霧隠れ | うちはイタチ |
| 大蛇丸 | 空 | 木ノ葉隠れ | サソリ(脱退済み) |
| サソリ | 玉 | 砂隠れ | デイダラ(後任) |
| デイダラ | 青 | 岩隠れ | サソリ→トビ |
| 角都 | 北 | 滝隠れ | 飛段 |
| 飛段 | 三 | 湯隠れ | 角都 |
| 小南 | 白 | 雨隠れ | 長門 |
暁の目的「月の眼計画」と組織の変質
表向きの目的は「全ての尾獣を集めて禁術兵器を作り、戦争への恐怖で世界平和を実現する」というもの。だがこれはペインの認識に過ぎず、本当の最終目的は尾獣を集めて十尾を復活させ、無限月読で世界中の人間を幻術にかけて争いのない世界を作る「月の眼計画」だった。月の眼計画を知っていたのは古参のペイン・小南・ゼツ・オビト・マダラのみで、後加入の鬼鮫だけが例外的に知らされていた。
暁の発祥は雨隠れの里。創設者の弥彦は「対話により争いをなくす」という理念で長門・小南と組織を立ち上げ、自来也の弟子3人を中心に活動を広げていた。しかし雨隠れの長・半蔵が木ノ葉のダンゾウに唆され、弥彦と長門を会談に誘い出して罠にはめる。小南を人質に取られた長門は弥彦殺害を迫られ、弥彦は自ら長門のクナイに身を差し出して自決した。この瞬間、暁の理念は完全に折れた。
三重リーダー構造——ペイン/オビト/マダラ
弥彦の死後、長門は輪廻眼を覚醒させて半蔵を倒し、組織を引き継いだ。しかし強大な力の代償で肉体は急激に衰弱し、自力歩行も不可能に。長門は6体の死体傀儡「ペイン六道」を作って活動を続け、暁を引き継ぐ。表向きのリーダーはこのペインだが、その裏にはオビト(トビ)が「マダラを名乗る仮面の男」として存在していた。
オビトは第三次忍界大戦で岩に挟まれて死亡したと思われていたが、本物のマダラに助けられ、リンの死で世界に絶望した結果、マダラの月の眼計画に賛同していた。長門に接触したのもオビトとゼツで、組織の方針転換を裏で操作していたのだ。そしてそのオビトすらマダラの計画の駒に過ぎず、さらに黒幕として黒ゼツ=大筒木カグヤの意志が動いていた。理念を抱いた弥彦から、絶望した長門、絶望を利用したオビト、操ったマダラ、その全てを見ていた黒ゼツ——暁は5層構造で見ると一気に景色が変わる。

弥彦の理想と暁の結末を比べると、組織って「誰がリーダーか」で全く変わるんだなって思いました……。
ナルト 暁 強い順ランキング|全メンバーの能力・技・実績・敗因
原作および疾風伝の描写、戦績、能力スペック、対戦相手の格、敗因の質を総合して並べた俺独自のランキング。S級・上位・中位・下位+ランキング外の5階層で整理する。
S級(マダラ・オビト・ペイン・イタチ)
S級の4人は、それぞれが「単独で五影クラスを相手にできる」レベルにある。暁の本当の戦闘力はこの4人に集約されていると言っていい。

1位:うちはマダラ
穢土転生の状態で五影全員を同時に相手取り、圧倒した怪物。完全体須佐能乎は山脈を両断する規模で、十尾人柱力となった時期は作中最強クラスの存在だった。輪廻眼による輪墓・辺獄は影分身とは次元が違い、感知すらできない別世界の自分を4体同時に展開する。木遁・火遁・風遁を自在に操り、忍術の引き出しは初代火影・千手柱間に匹敵する。穢土転生から脱した後、自らの肉体を取り戻し、十尾人柱力となって地球そのものを支配しかけた瞬間まで含めれば、戦闘力の天井が見えなかった存在だ。
敗因は純粋な戦闘力ではなく、黒ゼツの裏切りだった。月の眼計画を完成させた瞬間、自分が操っていたはずの駒に背中から刺された。最強の男が最後に負けた相手は、忍でもなく術でもなく、千年単位で動いてきたカグヤの策略だ。CV内田直哉氏の渋い低音で放たれる「柱間ァ……!」の台詞圧は声だけで格が伝わるレベルで、マダラの登場シーンはアニメで観るべき価値が極めて高い。

2位:うちはオビト
神威——この術一つでオビトはほぼ無敵だった。物理攻撃を全て透過し、任意の対象を異空間に飛ばす。柱間細胞の移植により万華鏡写輪眼の負荷を軽減しつつ、本来うちは一族には扱えない木遁まで使用可能。十尾人柱力となった時期は忍連合全体を相手に互角以上の戦いを見せ、「柱間すら超えた」と豪語した。第四次忍界大戦の戦況を一人で支配したと言っていい時期がある。
神威の弱点は発動中に自身も実体化する一瞬のタイムラグだけで、カカシが同じ神威を持っていたからこそ攻略された。それがなければ突破は事実上不可能だっただろう。最期はカグヤとの最終決戦でナルトとサスケを庇い、命を落とした。トビの正体がオビトだと判明した瞬間、俺は震えた。あの間抜けなギャグキャラの裏にこれだけの闇があったのかと、初見で読んだ時は何時間も呆然とした。

3位:ペイン(長門)
輪廻眼による六道の力を全て使いこなす唯一の人間。天道の神羅天征は木ノ葉の里を一撃で更地にする斥力の術で、対象を吹き飛ばす。地爆天星は引力の球を生み出して周囲の物体を引き寄せ閉じ込める術で、六道仙人がこの術で月を作ったと言われている。餓鬼道で術を吸収し、修羅道で機械兵器を展開し、畜生道で口寄せを無制限に行い、人間道で魂を引き抜き、地獄道で死者から尋問する。6体全員が視野を共有しているため死角が存在しない。
弱点は本体・長門の機動力だった。歩行困難な状態で六道の遠隔操作に依存しており、仙人モードのナルトに本体の位置を特定された時点で事実上の敗北が確定した。最期はナルトとの対話の末、外道・輪廻天生の術で木ノ葉の人間を蘇らせ、自らの命を使い果たした。暁で一番純粋なやつだと俺は思っている。純粋ゆえにオビトの「マダラ騙り」を疑わず、最後まで利用された人物の一人だ。

4位:うちはイタチ
万華鏡写輪眼による月読・天照・須佐能乎の三種を完備した史上稀な存在。月読は一瞬で相手を精神崩壊させる最強の幻術であり、天照は消えない黒炎で対象を焼き尽くす。須佐能乎は十拳剣と八咫鏡を装備した攻防一体の構成で、天照の黒炎を反射する八咫鏡は理論上ほぼ全ての攻撃を弾く。さらにイザナミという禁術で、うちは一族の間でかつて起こった「イザナギで運命を書き換える争い」を止める手段すら持っていた。
病身でありながら、サスケとの最終決戦では実質的に「勝ち逃げ」を果たしている。本気で殺す気があればサスケは死んでいた。穢土転生で復活した際にはかつて殺し合った弟・サスケと共闘し、イザナミでカブトの精神を無限ループに閉じ込め、その状態のカブトに穢土転生解除の印を結ばせた。死してなお弟のそばで戦い、戦場全体を救う——イタチの強さは術のスペックだけでは測れない。病でなければ暁最強だった可能性すらある。俺がNARUTO全キャラの中で一番好きなキャラだ。
→ナルト 名言 ランキングTOP5|イタチ・カカシ・イルカ先生の言葉を泣ける理由ごと解説
上位(鬼鮫・大蛇丸)
S級にこそ届かないが、五影クラスを相手取って善戦できる「準S級」の2人。ここから下は「全盛期の上忍チーム複数」でやっと相手取れるラインになる。

5位:干柿鬼鮫
「尾の無い尾獣」と呼ばれるほどのチャクラ量を持つ怪物。元・霧隠れの忍刀七人衆で、愛刀「大刀・鮫肌」は相手のチャクラを削り取って鬼鮫自身に供給する生きた武器であり、戦えば戦うほど鬼鮫が有利になる。水遁・大鮫弾の術は相手の術を吸収して巨大化し、強い相手ほど威力が上がるという理不尽な性能を持つ。八尾人柱力のキラービーすらも一度は追い詰めた。
マイト・ガイの体術全力でなければ倒せなかった事実が、鬼鮫の実力を端的に示している。そして捕縛される直前に自らの体を鮫に食わせて自害した暁随一の最期は、見ていて胸が締め付けられた。組織への裏切りとは無縁の男だった——あの最期は予想外すぎた。情報を漏らさないために自分を喰わせる、それが鬼鮫の忍道だ。

6位:大蛇丸
穢土転生で死者を蘇らせ、不屍転生で他者の体を乗っ取り、何度殺されても復活する伝説の三忍。禁術の知識量は忍界随一で、第四次忍界大戦では歴代火影4人を穢土転生で蘇らせ、戦局そのものを動かした。忍としての戦闘力だけでなく、知識と策略で戦場の構造を変えられるのが大蛇丸の真の強さ。中忍試験編で木ノ葉崩しを単独で引き起こした時点で、戦闘力ではなく「世界そのものへの破壊力」が桁違いだった。
唯一の汚点は暁時代にイタチの体を狙い、返り討ちにされたこと。月読の前に為す術がなかった。この敗北がなければ大蛇丸は暁に残り続けていた可能性があり、結果的にこの敗北が大蛇丸の運命を「闇から光へ」転生させる伏線になった。
中位(サソリ・デイダラ・角都)
「中位」と書いたが、3人とも一国を滅ぼせる戦闘力を持つ怪物。ただし上位の鬼鮫・大蛇丸と比べると、戦況を一人で支配する力は一段落ちる。

7位:サソリ
「赤秘技・百機の操演」は一国を落とした実績を持つサソリの最大技。三代目風影を人傀儡として手に入れ、その血継限界・磁遁による砂鉄を自在に操作する。傀儡師は通常10体までが操作の限界だが、サソリは自身の体を傀儡化することで百体の傀儡を同時操作できるようにした。傀儡には毒が標準装備で、かすっただけでも致命傷になる。生身の体を捨てて自らも傀儡に改造した、傀儡師として歴代最強の男だ。
敗因はチヨバアとサクラの組み合わせがメタ的に最悪だったことと、両親の傀儡を前にした時に一瞬攻撃を止めたこと。サソリは「壊れていた」のではなく、「壊れきれなかった」のだ。あの一瞬の躊躇が、永遠に歳を取らない傀儡師を、永遠に幼い頃のまま死なせた。

8位:デイダラ
起爆粘土によるC1からC4までの段階的な爆破術+自爆のC0を持つ。最高傑作のC4カルラは、巨大なデイダラ像が破裂して目視できないナノサイズの爆弾を散布し、吸い込んだ生物を細胞レベルで破壊する。回避は事実上不可能。飛行可能な大型粘土に乗り、空中戦では圧倒的な優位性を誇る。砂隠れに侵入して我愛羅を1対1で打ち倒し、一尾の捕獲に成功した戦績は、デイダラの戦闘力を端的に示している。
弱点は雷遁。起爆粘土は雷遁で無力化されるため、千鳥を持つサスケとの相性は最悪だった。最期はC0——自らの体を爆弾に変える半径10キロの自爆で「芸術は爆発だ」を体現した。デイダラのサスケへの嫉妬心は俺にもわかる部分がある。20代の俺は、自分より先に成功する同業者を見るたびに胸が焼けた。天才への「負けたくない」感情が暴走した結果が、あの自爆だ。

9位:角都
91歳——公表されている忍の中で最高齢。禁術「地怨虞」で他人の心臓を奪い、最大5個までストックできる。心臓ごとに性質変化を取り込んでおり、五大性質変化(火・水・雷・風・土)すべてを使いこなす。心臓を一つ失っても残りが稼働する限り死なない。かつて滝隠れの精鋭として初代火影・千手柱間の暗殺任務を受け、敗走したものの生還した経歴を持つ——初代と戦って生き延びたこと自体が異常な実績だ。
風遁・螺旋手裏剣という、ナルトがこの戦いのために完成させた新術でなければ倒せなかった。五つの心臓を同時に破壊する手段がなければ、角都は延々と戦い続けることができただろう。「信じられるのは金だけ」と豪語する純粋悪。それ以上語ることがない、暁で最も「忍らしくない忍」だ。
下位(飛段・小南)+ランキング外(ゼツ)
戦闘力ランキングの最下位だが、それぞれが独自の脅威を持つ3人。特に小南とゼツは「戦闘力では測れない別軸」のメンバーだ。

10位:飛段
ジャシン教の禁術によって不死身となった肉体と、呪術「死司憑血(ししひょうけつ)」を組み合わせた特異な戦闘スタイル。相手の血を摂取し、地面に描いた呪術の円陣内で自傷することでダメージを相手に転写する。当たれば即死級の能力だが、儀式条件が厳しい。円陣の外に出されれば無力化され、血液を摂取できなければ発動すらしない。木ノ葉の上忍・猿飛アスマを返り討ちにした実績はあるが、不死身を悪用した残虐戦法だった。
シカマルの頭脳戦に完敗したのが全てだった。不死身であることを逆手に取られ、バラバラにされて奈良一族の森に生き埋めにされた。ルックスだけは暁随一だと思った。初見はマジでかっこいい。だが戦闘力は思った以上に低く、見た目と中身のギャップが激しいキャラだった。

11位:小南
体を紙に分解する能力を持ち、起爆札6000億枚を用いた飽和爆撃でオビトを追い詰めた女忍。神威の連続使用時間が5分間という制限を見抜き、その時間を超えて10分間連続爆破するトラップを仕掛けた戦略性は、暁の中でも異質な知性を示している。弥彦と長門への愛情を最後まで貫き、その愛情ゆえに長門の輪廻眼の場所を吐かされて命を落とした。
戦闘力だけで見ればランキングは低いが、6000億枚の起爆札を準備し続けた執念は暁の中でも異質。オビトに気づかれずにそれだけの量を集めた工夫だけでも、上忍級の頭脳がうかがえる。あとはひたすら可愛い。登場シーンがもっと欲しかった、というのが本音だ。

ランキング外:ゼツ
白ゼツは情報収集と潜入に特化した存在で、第四次忍界大戦では10万体が兵器として投入された。単体の戦闘力は低いが、物量と情報戦における貢献は計り知れない。一方の黒ゼツは大筒木カグヤの意志そのものであり、マダラすら駒に過ぎなかった。物語全体の真の黒幕が「戦闘力ランキング外」のキャラだったという構図は、NARUTOの脚本の凄み。岸本斉史の周到さがここに凝縮されている。
ゼツがイタチvsサスケ戦を観戦して「イタチは手を抜いていた」と見抜いていたシーンは観察者として見事だった。戦場全体の本質を見抜く役回りとして、ゼツの存在は欠かせない。
📌 暁・実測データ3選:①角都91歳・心臓最大5個——初代火影と戦った経験を持つ作中最高齢。②小南・起爆札6000億枚——神威の連続使用時間5分間を超えて10分連続爆破する飽和トラップ。③サソリ・百体傀儡同時操作——通常傀儡師の10倍、自身を傀儡化した代償と引き換えに獲得した一国滅ぼし級の物量戦。
強いやつほど孤独だったのが暁だ。マダラもオビトもペインもイタチも、圧倒的な力を持ちながら、その力で守りたかったものを失っている。強さと孤独が比例する組織——それが暁の本質だった。ただし角都と飛段だけは例外だ。あの2人には守りたいものが最初からなかった。

強さランキングを書いていて気づいたのは、暁は「強い順」と「失ったものが大きい順」がほぼ一致するということだ。偶然じゃない。岸本先生はそう設計している。
ナルト 暁 考察|俺の体験と重なった4人のキャラクター
ここからは強さランキングではなく、俺自身の人生と重なった4人を取り上げる。サソリ、オビト、イタチ、大蛇丸——それぞれの「壊れ方」と「再生の仕方」が、20代に派手に生きて派手に転落した俺自身の姿と二重写しになる。
サソリ——愛情の欠乏が人を傀儡にする
人は愛情を受けられない時、愛情の代替物を作り続ける——サソリが傀儡を作り続けた理由はそこにある。
サソリは幼くして両親を失い、祖母チヨバアに育てられた。だが祖母の愛情では埋まらなかった穴を、サソリは傀儡で埋めようとした。傀儡は朽ちない。傀儡は離れない。永遠にそばにいてくれる存在を、サソリは自分の手で作り続けた。両親の傀儡を作って自分を抱きしめさせるシーンは、NARUTO屈指の哀しさを持つ場面で、初見で読んだ時に胸が痛んだ。
そしてサソリの敗因は、両親の傀儡を手放せなかったことだった。チヨバアが両親の傀儡をぶつけた瞬間、サソリは攻撃を止めた。あの瞬間にサソリの中には、まだ愛情が残っていた。壊れていたのではなく、壊れきれなかったのだ。永遠に幼い少年のまま死んだ——傀儡師として完成しすぎた皮肉な最期だった。
オビト——優しさを利用された男
オビトの壊れ方は、優しさを持った人間が最も傷つく壊れ方だった。
俺は20代の半ば、自分が損してでも周りを優先するタイプだった。フリーランスとして独立して稼ぎが大きかった時期に、付き合っていた相手や周囲の人間に金を回し続けて、最終的に自分が一番搾取される側になっていた。「お前のために」「俺たちのために」という言葉に弱かった。優しさという名の自己犠牲を、当時の俺は美徳だと勘違いしていた。
オビトのその気質をマダラが利用した構図を読み返した時、他人事ではなかった。優しい人間ほど「お前のためだ」「世界を変えるためだ」という言葉に弱い。マダラはそこに完璧につけ込んだ。リンを失った後にオビトが世界を呪った気持ちが、分からないとは俺は言えない。自分を犠牲にし続けた人間が最後に壊れる時、その壊れ方は誰よりも激しくなる。俺の20代も、似たような壊れ方をしてゼロまで落ちた。

優しさって武器にもなるけど、つけ込まれる弱点にもなるんだな……。オビトの話、結構キツいわ。
イタチ——無償の愛の究極形
イタチは俺がNARUTO全キャラの中で一番好きなキャラクターだ。ここは譲れない。
うちは一族を皆殺しにし、里を抜け、弟に憎まれる道を選んだ。全ては弟・サスケを守るためだった。サスケに自分を憎ませ、その憎しみを原動力にサスケを強くしようとした。自分が悪役になることで、サスケを「兄を殺した英雄」にしようとした。これほど捻れた愛情の形を、岸本先生は描き切った。普通の少年漫画では絶対に出てこない構造だ。
「許せサスケ……これが最後だ」。あの台詞と共にサスケのおでこを指でつつくシーン。幼い頃、イタチがサスケにしていた仕草と全く同じだった。一族を殺した夜から死ぬ瞬間まで、イタチの中でサスケへの愛情は一度も変わっていなかった。あのおでこツンが、その証明だ。NARUTO全話の中で最も静かで、最も深い名シーンだと俺は思っている。
イタチが自分を憎ませることでサスケを強くしようとした——あの愛情の形をもう一度描けるキャラクターは出てこないだろう。
「二度目の涙」——真実を知ってから見返した時に初めて泣いた
正直に言うと、俺は初見ではイタチの死で泣かなかった。「強い兄が弟に負けた」としか思わなかった。だがイタチの真実が判明した後、もう一度あの戦いを見返した。全てが違って見えた。サスケを追い詰めているように見えた術の一つ一つが、実はサスケを守るための布石だった。月読も天照も須佐能乎も、サスケを殺すためじゃなく、サスケに「兄を超えた」という確信を与えるための演出だった。二度目に見た時、初めて泣いた。
もしまだイタチの真実を知った上であの戦いを見返していないなら、絶対に見返してほしい。初見とは全く別の物語が見える。同じシーンで二度泣ける漫画なんて、そうそうない。
イタチの無償の愛と、俺が浪人時代に出会った親友の存在
俺には浪人時代に出会った2歳上の親友がいた。大学に入って間もない頃、その親友は突然亡くなった。亡くなる3日前にかかってきた電話を、俺は取らなかった。それが今もずっと心に残っている。
葬儀で親友の母親から訃報を聞いた瞬間、俺はその場で「後悔のない生き方をする」と誓った。それが20代の派手な生活の原動力にもなったし、結果的にそれが破綻にも繋がった。だが今でもあの誓いは消えていない。イタチがサスケに「ずっと愛している」と遺した最期と、俺の親友が残した不在の重さが、俺の中で同じ形をしている。誰かを愛し続けることは、相手が生きていても死んでいても、その人の生き方を変える力がある。
ナルトは全キャラクターがスピンオフで描いても人気が取れる作品だ。だがイタチだけは別格。実際に「イタチ真伝」は小説として刊行され、アニメ化もされた。それだけの深みを持ったキャラクターが「敵組織のメンバー」として描かれていたこと自体が、NARUTOという作品の異常な厚みを証明している。
💡 俺の20代と暁の壊れ方:俺が暁メンバーに肩入れしてしまうのは、20代の自分を見ているからだ。派手に稼いで派手に転落した30代前半の俺が、今37歳になって振り返った時、暁の11人がそれぞれ「あり得たかもしれない自分の未来」に見える。NARUTOは少年漫画でありながら、大人になってから読み返すと刺さる箇所が増える稀有な作品だ。

イタチの真実を知ってから見返すと、全ての台詞の意味が変わる。あれを「二度おいしい」と表現するのは軽すぎる。あれは「二度壊される」体験だ。
大蛇丸——最大の闇から光へ転生した男
大蛇丸が光側に転んだ時、俺は純粋に驚いた。NARUTOの中で最も闇が深いと思っていたキャラが、第四次忍界大戦では味方として参戦し、歴代火影を蘇らせて戦局を動かした。BORUTOでは木ノ葉に協力する立場にまでなっている。振り返ると伏線はあった。大蛇丸は「永遠の命」を求めていたが、それは「死への恐怖」の裏返しであり、サスケという器を通じて世界を見る中で何かが変わったのだろう。
大蛇丸の光属性転生は、「闇に終わらない物語」の証明だ。俺自身、20代後半でゼロ近くまで落ちて、30代で家業に戻り、再起した経験がある。落ちた人間が再起できる物語は、それ自体が読者を救う。岸本先生が大蛇丸を最後まで悪役として描かなかった選択は、NARUTOという作品の懐の深さを物語っている。

大蛇丸って最初は本当に怖かったのに、まさか光側になるなんて……。NARUTOのキャラの奥深さってすごいですよね。
よくある質問(FAQ)
- Q 暁のリーダーは誰ですか?
- 表向きのリーダーはペイン(長門)です。しかし裏でペインを操っていたのがオビト(トビ)であり、さらにそのオビトを計画に組み込んでいたのがうちはマダラという三重構造になっています。さらに最深層の黒幕として黒ゼツ=大筒木カグヤの意志が動いていました。
- Q 暁の目的は何ですか?
- 尾獣を全て集めて十尾を復活させ、「月の眼計画(無限月読)」を発動し、世界中の人間を幻術にかけて争いのない世界を作ることが最終目的です。ただしこれは黒幕オビトとマダラの目的で、ペインは「禁術兵器を作って戦争への恐怖で平和を実現する」と認識していました。
- Q 暁で最も強いキャラは誰ですか?
- 十尾人柱力となった時期のオビトとマダラが最強クラスです。S級にはマダラ・オビト・ペイン(長門)・イタチの4人が該当します。穢土転生のマダラは五影全員を同時に圧倒し、肉体を取り戻した後は地球そのものを支配しかけました。
- Q 飛段は死亡していますか?
- 死亡していません。飛段はジャシン教の禁術により不死身ですが、シカマルによってバラバラにされ、奈良一族の森に生き埋めにされて行動不能の状態です。理論上、今もそこで生き続けていることになります。
- Q 大蛇丸は暁のメンバーですか?
- 元メンバーです。サソリとツーマンセルを組んでいましたが、イタチの体を乗っ取ろうとして返り討ちに遭い、暁を脱退しました。その後、第四次忍界大戦では味方として参戦し、BORUTOでは木ノ葉に協力する立場として光属性転生を遂げています。
- Q 暁の発祥はどこの里ですか?
- 雨隠れの里発祥です。創設者は弥彦・長門・小南の3人で、当初は「対話により争いをなくす」という理念で結成されました。ただし他里からは霧隠れ発祥と勘違いされていた時期もあり、これはオビトが暁を乗っ取る契機となった事件が霧隠れ絡みだったためです。
- Q NARUTOのアニメと原作はどこで観られますか?
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まとめ|暁は”愛情の壊れ方”の物語——ただし全員ではない
暁というのは、悪の組織に見えて「愛情が壊れた人間の集まり」だった。長門は弥彦を失い、オビトはリンを失い、イタチは一族を自らの手で殺した。サソリは両親を失い、小南は弥彦と長門の両方を失った。全員が、誰かを愛していた。その愛情が歪んだ結果が暁だった。
だが綺麗事で終わらせるつもりはない。角都と飛段は純粋に悪だった。角都は金のために殺し、飛段は信仰のために殺した。この2人には壊れる前の愛情がなかった。暁を「全員が悲しい過去を持つ組織」と語るのは、角都と飛段の存在を無視している。
それ以外の暁メンバーは、愛情深い人間だった。壊れ方が違うだけだ。ナルトがペインと対話できたのは、同じ師・自来也の弟子として、その壊れ方を理解していたからだ。
俺にとって暁は「悪役を超えた存在」だ。20代の俺が派手に生きて派手に転落し、家業に戻って人生をやり直した時期に、何度もNARUTOを読み返した。暁のメンバー一人ひとりの壊れ方に、当時の俺は自分を重ねていた。37歳になった今でも、イタチの無償の愛やオビトの壊れ方は、俺自身の過去と重なって離れない。それだけの厚みを持ったキャラクター群を「敵組織」として描き切った岸本先生の筆力は、いまだに更新される気がしない。



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